1. かちかちやま むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。あるひ、おじいさんははたけにたねをまきましたが、たぬきがやってきてそのたねをほりだしてぜんぶたべてしまったので、おじいさんはおこってたぬきをつかまえ、なわでしばりました。そしていえのおばあさんに「たぬきじるにしておくれ」とわたすと、またしごとにいきました。 おばあさんがたぬきじるのよういをしていると、たぬきがおばあさんに「もうわるいことはしないから、なわをほどいてかじをてつだわせてくれないか」とたのむので、おばあさんはたぬきのことばをしんじ、なわをほどいてやりました。するとたぬきはおばあさんをなぐってにげました。たぬきになぐられおばあさんはしんでしまいました。 おばあさんがしに、おじいさんがかなしみにくれていると、うさぎがやってきました。おじいさんにかなしんでいるわけをきくと「わたしがわるいたぬきをたいじしましょう」とでかけていきました。 うさぎはたぬきをみつけると「しばかり(たきぎひろい)に一いっしょにいきませんか」とたぬきをつれだし、 2 ひきはしばかりをしました。しばをせおってやまをくだるとき、うさぎはたぬきをさきにあるかせ、うしろからひうちいしをカチカチとうちました。「いまのカチカチというおとはなんだい?」とたぬきがきくと , うさぎは「このやまはかちかちやまというやまだから、カチカチおとがするのです」とこたえました。しばらくするとたぬきがせおっていたしばはぼうぼうもえ「アチチチチ!」たぬきはあつくてにげかえっていきました。 せなかにやけどをおったたぬきがねていると、またうさぎがやってきて「やけどによくきくくすりをぬってあげましょう」といいました。そしてたぬきのせなかにとうがらしみそをぬりつけました。「イタタタタ!」やけどはますますひどくなりました。 しばらくしてやけどがなおったたぬきのもとにうさぎがやってきて「つりにいきませんか」というのでいってみると , かいがんにふねが 2 そうあります。たぬきはおおきいほうのふねにのり、ともにおきにでてつりをはじめました。するとたぬきのふねがかたむきはじめました。うさぎのふねはきのふねでしたが、たぬきのふねはどろのふねだったのです。たぬきはたすけをもとめましたがうみにしずんでしまいました。うさぎはこうしておばあさん